精神疾患

障害年金は、精神疾患も対象です

うつ病や統合失調症、気分障害、双極性障害、アルツハイマー病や認知症、脳梗塞後の精神疾患などの器質性精神障害、てんかん、知的障害、発達障害は、障害年金の支給対象です。

ただし、単に申請書類を提出すれば支給されるものではなく、日本年金機構の定める一定の基準を満たしている必要があります。

精神疾患の認定基準

国年令別表、厚年令によって「障害の程度」、「障害の状態」が1級から障害手当金まで定められています。
 精神の障害は、多種であり、かつ、その症状は同一原因であっても多様です。
 したがって、認定に当たっては具体的な日常生活状況等の生活上の困難を判断するとともに、その原因および経過を考慮します。
1級
精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度
2級
精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度
3級
精神に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの
障害手当金
精神に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
※認定要領
 精神の障害は、「統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害」、「気分(感情)障害」、「症状性を含む器質性精神障害」、「てんかん」、「知的障害」、「発達障害」に区分します。
 症状性を含む器質性精神障害、てんかんであつて、妄想、幻覚等のあるものについては、「A統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害並びに気分(感情)障害」に準じて取り扱います。
(Ⅰ)統合失調症の障害認定基準
1級
統合失調症によるものにあっては、高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の介護が必要なもの
2級
統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
統合失調症によるものにあっては、残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
(Ⅱ)次の点を考慮の上、慎重に行います。
(1)
統合失調症は、予後不良の場合もあり、国年令別表・厚年令別表第1に定める障害の状態に該当すると認められるものが多くみられます。 しかし、罹病後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもあります。したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの治療および症状の経過を十分考慮します。
(2)
日常生活能力等の判定に当たつては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努めます。また、現に仕事に従事している人については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したとは捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断すること
(3)
人格障害は、原則として認定の対象となりません。
(4)
神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならないものとします。 但し、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症またはそううつ病に準じて取扱います。
(Ⅰ)うつ病の障害認定基準
1級
そううつ病によるものにあっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の介護が必要なもの
2級
そううつ病によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
そううつ病によるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、その病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し労働が制限を受けるもの
(Ⅱ)次の点を考慮の上、慎重に行います。
(1)
そううつ病は、本来、症状の著明な時期と症状の消失する時期を繰り返すものです。したがつて、現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過およびそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮します。
(2)
日常生活能力等の判定に当たつては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努めます。また、現に仕事に従事している人については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したとは捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断すること
(3)
人格障害は、原則として認定の対象となりません。
(4)
神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならないものとします。 但し、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症またはそううつ病に準じて取扱います。
(Ⅰ)症状性を含む器質性精神障害とは
 先天異常、頭部外傷、変性疾患、新生物、中枢神経等の器質障害を原因として生じる精神障害を原因として生じる精神障害に膠原病や内分泌疾思を含む全身疾患による中枢神経障害等を原因として生じる症状性の精神障害を含むものです。
 なお、アルコール、薬物等の精神作用物質の使用による精神および行動の障害以下「精神作用物質使用による精神障害」といいます)についても、この項に含めます。
(Ⅱ)器質性精神障害の認定基準
1級
高度の認知症、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の介護が必要なもの
2級
認知症、人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
認知症、人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの
障害手当金
認知症のため、労働が制限を受けるもの
(Ⅲ)次の点を考慮の上、慎重に行います。
(1)
脳の器質障害については、精神障害と神経障害を区分して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則として、それらの諸症状を総合して、全体像から総合的に判断して認定します。
(2)
精神作用物質使用による精神障害は、アルコール、業物等の精神作用物質の使用により生じる精神障害について認定するものであって、精神病性障害を示さない急性中毒および明らかな身体依存の見られないものは、認定の対象となりません。
(3)
精神作用物質使用による精神障害は、その原因に留意し、発病時からの療養および症状の経過を十分考慮します。
(4)
高次脳障害とは、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、日常生活または社会生活に制約があるものが認定の対象となります。その障害の主な症状としては、失語、失行、失認のほか記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。なお、障害の状態は、代償機能やリハビリテーションにより好転もみられることから療養及び症状の経過を十分考慮します。また、失語の障害については「音声または言語機能の障害」の認定要領により認定します。
(5)
日常生活能力等の判定に当たつては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努めます。また、現に仕事に従事している人については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したとは捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断することと。
(Ⅰ)てんかんとは
てんかんは発作は、部分発作、全般発作、未分類発作などに分類されますが具体的に出現する臨床症状は多彩です。また、発作頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまでさまざまです。さらに、てんかん発作は、その重症度や発作頻度以外に、発作間欠期においても、それに起因するさまざまな程度の精神神経症状や認知障害などが、稀ならず出現することに留意する必要があります。
(Ⅱ)てんかんの認定基準
1級
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ、常時の介護が必要なもの
2級
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの
3級
十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満.もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ、労働が制限を受けるもの
(注1)発作のタイプは以下の通り
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
(Ⅲ)次の点を考慮の上、慎重に行います。
(1)
てんかんの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定します。
(2)
様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や認知障害を有する場合には、治療および病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定します。
(3)
てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される場合にあっては、原則として認定の対象とならないものとします。
(Ⅰ)知的障害とは
知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳までに)現れ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいいます。
(Ⅱ)知的障害の認定基準
1級
知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため。日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級
知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級
知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの
(Ⅲ)次の点を考慮の上、慎重に行います。
(1)
知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断します。また、知的障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定します。
(2)
日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能および精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努めます。
(3)
就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事しています。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断します。
(Ⅰ)発達障害とは
発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいいます。
(Ⅱ)発達障害の認定基準
1級
発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
2級
2級
発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
3級
発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
(Ⅲ)次の点を考慮の上、慎重に行います。
(1)
発達障害については、たとえ知能指数が高くても、社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために、日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行います。また、発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定します。
(2)
発達障害は、通常低年齢で発症する疾患ですが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が20歳以降であった場合は当該受診日を初診日とします。
(3)
就労支援施設や小規模作業所などに参加する人に限らず、雇用契約により一般就労をしている人であつても、援助や配慮のもとで労働に従事しています。したがつて、労働に従事していることをもって、直ちに目常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している人については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認した上で日常生活能力を判断します。

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